奥村厚一 (おくむらこういち) 1904-1974 日本画家/京都市出身
明治37年7月1日京都市北区紫竹生まれ。作品は主に風景画で本作といわれる比較的大きな作品の他に、本作とはまた趣の異なる味わいがあると評されるスケッチに作者の個性がより垣間見れるかもしれません。多くの作品は郷愁を感じさせる抒情的画風で、初期は光を意識した象徴性の高い作品、戦後は明快、後期は渋く深みのある色調の作品への変遷が感じられる。好き嫌いはやや強く性格は明るい。歌や音楽好きだった奥村の写生帳の裏や書き損じの紙には、歌の歌詞の書写しのあれこれが所々に残されてたという逸話にも人柄がよく表れている。興味のある方は簡単な経歴、人柄、エピソード等が載っている"recollection3〜4"の切り抜き記事や「美術家の墓標」をご覧ください。
- 【略 歴】
1923年(大正12年)京都市立絵画専門学校(現:京都市立芸術大学)入学
1928年(昭和3年)京都市立絵画専門学校卒業、同校研究科へ進学、かたわら画塾 晨鳥社の西村五雲に師事
1929年(昭和4年)第10回帝展「山村」が初入選、以降出品とともに入選が続く
1933年(昭和8年)京都市立絵画専門学校研究科修了
1946年(昭和21年)第2回日展において「浄晨」が特選。政府買い上げ(東京芸術大学美術館所蔵)
1948年(昭和23年)「創造美術協会 (現:創画会)」の結成に参加
1949年(昭和24年)京都市立美術大学(現:京都市立芸術大学)助教授
1962年(昭和37年)晨鳥社の画友・山口華楊とヨーロッパ遊学
1971年(昭和46年)嵯峨美術短期大学(現:京都嵯峨芸術大学短期大学部)教授
1974年(昭和49年)京都市立芸術大学名誉教授
同年6月25日 京大病院にて死去(享年69歳)
◾️画集「奥村厚一 日本画と素描」(1985年/昭和63年 京都書院刊
◾️画集「奥村厚一 作品集」(1999年/昭和63年 ギャラリー鉄斎堂刊